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題名:アイドルマスター 『忘却心中』
作者:時雨P
特徴:千早ソロ メカ千早 MEIKO ボーカロイド オリジナル曲




 千早はその生真面目な性格が災いして、明るい曲を歌おうとするとぎこちなくなる。それが妙にメカメカしいために、ついたあだ名がメカ千早。要するに基本的にネタ的な呼称であり、作られるMADも駆動音が付いたり必要以上に機械的にされたりと、ネタ方面が大半である。

 ところが時雨Pは、そのメカ千早の特徴を逆手に取ってガチ作品を完成させた

 組み合わせた歌は、初音ミクの先輩であるボーカロイド・MEIKOを使ったオリジナル曲。
 以前紹介したアイマス&ボーカロイドのランキングでも千早とMEIKOの相性は良かったが、それでも違和感を禁じ得ない部分はあった。しかしそれは生身の千早と合わせたからであって、メカ千早であればその違和感はむしろ自然になる。これは逆転の発想といえよう。

 そして、メカ千早が歌う歌詞や、切り込んでくるカットイン映像が色々と意味深すぎる

その歌は何を伝えようというのか

 命は散っても思い出は消えない でも忘れるのが人間だから
 あの事件ももう忘れた人の方が多い
 ありがとう 私の血の温もりと
 覚えてます あなたの手の温もりを

 このメカ千早はロボットなのかクローンなのかサイボーグなのか。オリジナル千早はどこにいるのか、あるいはもうどこにもいないのか。誰に向けて歌っているのか、何を伝えようとしているのか。
 そもそも、全てがメカ千早自身の経験なのか否か。「手の温もりを覚えている」のはこのメカ千早なのか、違うメカ千早なのか、それともオリジナル千早の記憶の欠片なのか。

 歌詞に整合性が欠ける、の一言で切り捨てるのは簡単だが、作者が意図的に混乱に拍車をかけるようなシーン構成にしている点は考慮に値すると思う。
 なにせ、砕けたスクリーンの向こう側で生身の千早が泣いてたりメカ千早が起動してたりする(じゃあそれを見てる「砕けたスクリーン視点」の持ち主は誰?)し、メカ千早が一瞬だけ生身の千早に戻るシーンもあるのだ。
 加えてこの作品は無限リピート可能なように、最後のシーンから最初のシーンにうまく繋がるよう作られている。
 歌の内容が内容だけに、これら全部をただの演出効果と片付けていいものか。
 考えれば考えるほど分からなくなる。この不安感は、しかし嫌いではない。

 管理人はブレードランナーや、その原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が好きなものだから、こういう現実と虚構の区別が曖昧な表現はハマるのだった。
 作者の思惑とは全く別の方向に思考が進んでいる可能性も高いが、それはどんな作品であっても避け得ない事だから、あえて管理人は気にしない事にしている。

 それにしても、アイマスMADで思考の迷宮に足を踏み入れる事になるとは思わなかった。

 時雨Pは良作を作る割に伸びない事で定評があるらしいが、この作品も解釈が難しいから伸びないかも知れない。しかし、視聴者稼ぎを優先して一般受けしやすい、つまりはありきたりなメカ千早物にしてたら、管理人はこのPに気付かなかっただろう。
 つまり、そういう事だ。
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